ドラゴンスレイヤー 英雄伝説 |
リリース | 1989/12 |
メーカー | 日本ファルコム |
プラットフォーム | PC-88 |
ジャンル | RPG |
「ドラゴンスレイヤー 英雄伝説」は、タイトルにナンバーこそ入っていないものの、日本ファルコム伝統のドラゴンスレイヤーシリーズの第6作である。ドラスレシリーズは、1~5まで全てこのblogで扱っているので、当然これで6回目となる。
その英雄伝説だが、ゲームジャンル的には、いわゆるドラクエ・FF型の、コマンド式のRPGとなる。
このゲームシステムは、当時はサプライズだったかも知れない。前作までは、一貫してARPGだったし、第1作のドラゴンスレイヤーはトップビューだったものの、2(ザナドゥ)・3(ロマンシア)・4(ドラスレ4)・5(ソーサリアン)と、サイドビューのピョンピョン跳ねまわるタイプのゲームだった。それが急に、ドラクエ・FF型になるというのは、意外だった。
ゲームシステムの変更は、当時としては賛否両論だったかも知れない。しかし、ドラゴンスレイヤーシリーズはその後なくなってしまったものの、この英雄伝説からは続編がワサワサ出て、今でも残っており、今年(2020年)にも最新作が出ている。イースと同じく、長寿シリーズになったわけだ。なので、当時のドラスレファンの思いはともかく、このシステム変更は成功したし、後の世に受け入れられたと言っていいだろう。
で、私自身はと言うと、プレイしていなかった。ここまでのドラスレシリーズは、何らかの形でプレイしていたし、また英雄伝説自体も移植ハードが少ない訳ではなく、PC-88や98からはじめ、MSXやX68000、PCエンジンやメガドライブ、そしてスーパーファミコンなど、当時の主流ゲーム機を持っている人なら大体できるような状況にはあった。この状況で、私がなぜ当時英雄伝説をやらなかったのかは分からない。そんな気持ちは全然無いつもりだが、実は心の中に、「ザナドゥとかの流れなのに、普通のRPG作んなよ」という、否定側の意見が入っていたのかも知れない。
が、まあ何にせよクリアしてみないと評価できないので、今回長くなりそうだけど、クリアまで頑張ってみる。
スタート画面で放置していると、デモが流れ、そこで大体のストーリーが流れる。
イセルハーサと呼ばれる世界にある、ファーレーン王国は、ある日突然モンスターの来襲を受け、国王アスエルが殺害されてしまった。王位継承者であるセリオス(この人が主人公)はまだ幼かったので、重臣であるアクダムが摂政として政治を司り、セリオスは16歳になるまでこのエルアスタで育てられる事になった。
で、年月が経ち、そのセリオスがあと2か月で王位を継ぐ事になる、と言ったところからスタートする。
目の前にいるライアスは、教育係のいわゆる「じい」といった存在で、「王様になるんだからスライムいじめはやめなさい」と説教をしてくる。そうか、セリオスはスライムいじめが趣味なのか…。
しかし、もうすでに「アスエル」「セリオス」「ライアス」などの、なんとなくナーロッパ風の似たような響きの固有名詞がワサワサ出てきて、覚え辛い…。
ESCキーを押すと、メニュー一覧が出てくる。Space(Enter)で決定、Esc(Shift)でキャンセルという、ドラクエ式のインターフェイスに統一されている。
その中に、システム設定があり、このような項目がある。
この時点では、「オート移動」とか「レベルアップ オート」とか全然意味分かっていなかったが、そのうち分かるだろ…と思って放っておいた。下の方はすぐ意味が分かるので、例えばメッセージ速度とかはすぐに「速い」にした。移動はしばらく普通でやってみたが、やはり「速い」にしないとわずらわしい、と思った。
街の外に出る時、いったん衛兵に「王子を出すわけにはいかん」と止められるが、街の裏手に抜け道が作ってあり、そこから出られる。
まあ、外の世界も、ドラクエ的な感じである。
外を歩いていると、ぷよんとしたスライムと戦闘になる。
…そうか、これと戦うのが「スライムいじめ」なのか…。戦う事くらい許して欲しいなあ。
戦闘システムは、ほぼドラクエのようなものである。コマンドを選んで、バトル、みたいな。
ただ、他のドラクエ式のゲームと異なる事は、ターン制ではない、という事だ。ドラクエ式(というかウィザードリィ式なんだけど)のバトルは、明確にターンがあり、そのターンの中で1キャラ1回ずつ行動をする。「素早さ」は、そのターン内の順番に影響する。しかし英雄伝説の戦闘は、そのような仕組みではなく、FF4のようなATBであるとか、あるいは最近で言うとドラクエ11の戦闘みたいなものである。各キャラ毎に、自分の番が回ってくると、そこで初めてコマンド入力になる。で、行動した後、再び行動可能になるまでのクールタイムの減少速度が「素早さ」になる。つまり、例えば一人だけ素早いキャラがいれば、他のキャラより多く手番が回ってくる。逆に遅ければ、なかなか番が回ってこない。下手をすると、敵ばかり行動して、こちらの行動がなかなかできない事もある。
なので、素早さはかなり重要である。
スライムいじめを堪能して戻ってくると、ライアスじいに見つかって怒られる。
そして一晩経つと、事件が起きた。たくさんのモンスターが、エルアスタに襲ってきたのだ。
その後色々ひと悶着あって、セリオスだけ洞窟の抜け道から逃げる事になった。どうやら兵士達や、ライアスは犠牲になったらしい。
ここはエルアスタと洞窟くらいしかない小さな島だが、その岬の洞窟に逃げ込む。
なお、この画面のように、街やダンジョンに入る時は、必ずその施設名が表示される。何なら、普段から画面右下に表示されている。
これは便利だったね。例えばドラクエ等は、住民に話しかけて、「ここはレーベの村です」みたいな事を聞かないとどこだか分からなかったのに、こちらはシステム的に分かるようになっている。先進的だった。
洞窟では戦闘になるが、セリオスはやたら強い。4桁ダメージとかを叩き出す。
「こういう桁のゲームなの?」って思ったけど、これはたまたまこの時点のセリオスが、「王家のつるぎ」などの王家シリーズを装備しているからだった。
なお、洞窟の中は、普段は暗くて自分のまわりしか見えないが、「たいまつ」を使うとこのように、円形の視界が得られる。ハイドライド3と同じような仕組みだ。
ただ、たいまつは凄い勢いで弱くなっていく。そうすると、段々視界が狭まり、最終的には自分の周りだけになる。なので、本格的な冒険をしたい時は、たいまつを複数持っていった方がいい。
エルアスタのあった小さな島から、ファーレーン王国の本島にたどり着き、いよいよ首都というか王の居城であるルディアに戻る。
ここに、摂政アクダムがいて、セリオスの王位継承を待っているはずだ。
そのアクダムが出迎えに来ないので、何事だと乗り込むと、実はアクダムが悪の親玉だという事に気付く(まあ、名前で分かるけど…)。
実は、10年前にモンスターが来襲し、アスエル王が殺されたのは、アクダムの差し金だった。そして今また、エルアスタが襲われたのも同様で、セリオスは本来そこで死んでいるはずだった。全ては、アクダムが王国を乗っ取るための計画だったのだ。
死んだはずのセリオスが生きていてはまずい、と地下牢みたいなところに閉じ込められる。
この時に、王家装備とかは全て取り上げられる。
しばらくすると、リュナンという修道士が、助けに来る。どうも、反アクダム派の、レジスタンスの一員らしい。
という事で、リュナンが仲間になり、ルディア城から脱出する。
この時、リュナンがパーティリーダーになる。
リーダーってなんやねんと思ったけど、単に画面上で表示されるのがどのキャラか、みたいな意味らしい。見ての通り、今は赤い髪のキャラが描かれている(セリオスは黄色い髪)。これがリュナンのようだ。
仲間が増えたので、戦うのも2人がかりになる。
ただ、先ほどまではセリオスが王家装備を持っていたのに対し、今はナイフ1本なので、相対的には弱くなっている。
ルディア城の東にあるクルスの村に行き、その地下に入る。ここに、レジスタンス組織のリーダーがいるようだ。
で、ライアスじいそっくりの爺さんがいて、最初は名前欄にも「ライアス」と出るが、実はこの人はライアスの弟のアロンだ。その右にいるのは、孫娘のソニアだ。
そう言えば、このように、メッセージ欄の頭に人の名前が出るのいいね。ゲームによっては、「これは誰のセリフなんだ」ってなる時があるし、そもそもどの人が何て名前か分からないケースもあるし。
話を聞くと、ルディアの更に南西に、ベルガという鉱山があり、アクダムに逆らった人達が閉じ込められているらしい。
そこで、まずはそのベルガの人達を解放し、反乱すっかみたいな流れになるが、リュナンが「レベル8はないと司令官は倒せない」と言ってくる。冷静な判断だし、具体的なレベルまで言ってくれるのはありがたい。
そこでまず一休みしてから、レベル上げだ。
その時、セリオスがリーダーになる。以後、リーダーは、メニューから好きな時に変更できる。
さて、ではLv8まで上げようか。
この英雄伝説では、戦闘にオートシステムがある。MOTHERにもあったが、こちらはより先進的で、パーティメンバー一人一人に、オートにするかどうかと、するのであれば戦闘呪文を使うか、回復呪文を使うか、回復アイテムを使うかという設定ができる。更に、4人の設定をいじるのめんどくさい、とかであれば、一番下の「全員の設定を同じに」というのにしとけば、1人設定すると全員に適用される。
至れり尽くせりだし、MOTHERのオートよりも賢く、相手に効く戦法を選んだり、自分が魔法得意なら魔法を優先するなど、ある程度インテリジェンスは高い。それで困る事もあるのだけど、それはまた後述。
とりあえずここでは、まだMPも少ないし、回復アイテムも貴重なので、それらは使わない設定でオートバトルにした。
体力が減ったら、この「レス1」という呪文で回復する。ドラクエで言うところのホイミだ。
後ろの数字は、呪文のグレードを示している。ドラクエが、「ホイミ」「ベホイミ」「ベホマ」などと、グレードによって名前が変わるのに対し、英雄伝説では、基本呪文名に1・2・3…などと数字をつけているだけだ。
手抜きに思うかも知れないが、その代わり何が上位呪文なのかがすぐ分かるようになっており、このゲーム全体を貫く「分かりやすさ」みたいなポリシーが感じられる。
よし、レベルアップした。
このゲームでは、レベルアップしたキャラは、HP/MPが完全回復する。
この仕組みがあるゲームは、結構難易度が低くなる。レベル上げをしていても、自動的に回復していくので、宿に戻らずに長い事稼げるし、ダンジョンのようなところに遠出した時も、ピンチになるリスクが低くなる。
実際、英雄伝説は、この点で楽だった。レベル上げとかそんなに頻繁に戻らなくてもいいし。
主人公のレベルが6になってからクルスの村に戻り、このローという男に話しかけると、仲間になる。
最初は、「いやー、ボクのレベルは7だし、魔法も使えるし、キミ達とは一緒に行けないよ」とかスネ夫みたいな事を言っていたのに、多少レベル上げしてから行くと、なんかやたら下手に出て仲間になる。
思えば、最初からちょっと胡散臭い奴だったけど、この時はあまり気にしなかった。
ローは魔法使いタイプで、他の2人にはない呪文を使えるし、MPも多い。なので、オート戦闘の設定でも、ローの回復呪文は「使う」にしておいた。攻撃呪文はもう少し先かなあ。
リュナン自身が言っていた、ベルガの司令官を倒すために必要なLv8を達成したので、早速乗り込んでいく。
が、それ以前に、このゲーム、敵の分布の異なるエリアに行くと、わりと急激に強くなる。ベルガは、クルスの村から見て、ルディア城の更に向うにあるので、ちょっと遠い。実は、そこにたどり着くまでに何度か全滅している。
が、まあ何とかたどり着いたので、司令官に戦闘を挑んでみた。
強い…。
いきなり、サイレスと言う、敵味方全員呪文を使えなくする呪文を使われ、回復しづらくなる。で、そのまんま一人ずつ潰された。
なおこのゲームでは、HPがゼロになっても、死亡という事ではなく、画面の通り「気絶している」という表示になる。これは戦闘が終わると、HP1の状態で復帰するので、「世界樹の葉」とか「フェニックスの尾」のようなアイテムがなくてもどうにかなる。こういうところでも、このゲームは難易度の低い方を選んでるんだな、と思う。
ただし、1戦闘内で全員が気絶すると、ゲームオーバーとなるので、油断はできない。こちらを気絶させるような相手に、少ない人数で勝たなければいけないという事なのだから。
とりあえず、ベルガの司令官には負けたので、もう一度やり直す。
今度は、きちんと装備を揃え、回復アイテムも買っていく。
それから、ちょっとだけレベル上げもする。
全員Lv10になったので、再挑戦。
今度は、サイレスを食らった時の事を考え、「レスの葉」という、名前の通りの回復アイテムを持っていった。つまり、呪文以外の回復方法を使う、という事だ。
これでどうにか司令官には勝てた。
ふー、最初のボスにしては強かったぜ…。
ベルガ鉱山に閉じ込められていた人達が解放された。
その中に、ゲイルという名前の盗賊がいて、アクダムに仕返しをしたいから仲間にしてくれ、という。ちょうど枠も空いてる事だし、入ってもらう。
それからクルスの村に戻ると、いよいよレジスタンスが、ルディア城のアクダムのところに乗り込む事になった。
一晩寝てから行ってみると、もうルディアの城下町では戦闘が始まっている。「ここは任せて早くアクダムのところに行け」みたいに言ってくる。
すると玉座に、アクダムと、敵兵の一団がいた。
ここはアクダムとの戦闘ではなく、敵兵の司令官との戦いになる。
同一人物かどうかは分からないが、またベルガの司令官と同じくサイレスを使ってくるので、アイテムで回復しながら戦おう。
そうすると、「これで勝ったと思うなよ」とか弁慶的な事を言って、船で逃げていく。
ま、アクダムは逃がしたものの、これでファーレーン王国はセリオスが取り戻した。
という事で、第1章が完になる。
このゲームは章建てになっていて、全部で6章まである。1章に1回の感じで記事を作っていくので、全6回でお届けします。
(続く)
- 2020/12/18(金) 23:00:00|
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