ハイドライド3 |
リリース | 1987/11 |
メーカー | T&Eソフト |
プラットフォーム | PC-88 |
ジャンル | ARPG |
1984年の初代、1985年のIIに続く、日本のARPGの元祖的な作品の三作目。
なお、前作は「ハイドライドII」と、ローマ数字だったのに、今回はアラビア数字で「3」となっている。このように、途中までローマ数字だったのに、どこかからアラビア数字に変わるシリーズ名というものがいくつか存在し、私はそれを「ハイドライド方式」と呼んでいる(例:インテルのCPUであるPentium)。
当然、三作品目ともなれば、内容に大きな変化があるもので、このハイドライドもそうなっている。ただ、その内容は、グラフィックやアクション性などだけに留まらない。非常に有名な話だけど、このハイドライド3は、「定期的に食事や睡眠をしないといけない時間システム」や、「お金にまで重量がある、シビアな重量制限システム」など、リアルな冒険シミュレーション的な部分が付け加えられた。
この点については、色々賛否があるが、まあ今回の攻略ではそのあたりも紹介したい。
私は、前作については、発売当初においてはクリアを断念したというような事を書いたが、この3は確かクリアしたような記憶がある。なので、また30年ぶりのクリアとなるわけだが、そういう懐かしさ込みで攻略していく。
まずいきなり、前作までとの大きな違い。
初代は特にキャラメイクはなく、2では3つのパラメータに数値を割り振る式のキャラメイクがあった。今回の3では、職業選択を最初に迫られる。戦士・強盗・僧侶・修道士の4つから選ぶ(今気づいたが、後ろ2つの職業って、なんかイメージ一緒だよね。英語バージョンの、clericとmonkって言ってくれるとなんか違う気がするけど)。
ただ、別に覚えられる魔法が異なるというわけでもなく(魔法は全職同じように覚えられる)、単純にパラメータの伸び率が異なる、と言うだけの話。
私は今回、直接戦闘向きの戦士で行く事にした。他、強盗は体力と腕力が優秀で、僧侶は魔力と精神力、修道士は体力以外どれも平均的というバランス型となっている
で、腕力と言うのがイコール、あとで説明する所持重量の大きさに関わってくるので、それが大きい強盗は優秀である。ただ、魔法系が極端に弱いので、実際には戦士がやはり初心者向けと言うか、欠点が少なく攻略のしやすい職業のようだ。
なお、職業選択後、パラメータ確認画面に行った時に、低確率で職業が「怪物」になる。怪物の場合、選択した職業の特徴をある程度残しつつ、体力がとても高い、という味付けになっている。そのため、最も攻略が楽な職業となっている。
実際、私が87年当時にプレイした時は、何度も作り直してこの怪物で進めた記憶がある。ただ、その時私は知らなかったが、怪物で進めると、ラスボス戦が異常にきつくなるようだ。そうだったのか…。
ゲーム開始時は、この「森の街」と呼ばれる街の入り口の前にいる。
いや、グラフィックがかなり良くなっているよね。前作までは、古き良きPCゲームらしく、マス目に沿ってブロックが置かれているイメージがあったが、この画面を見ても分かる通り、木や草がランダムに生えている感をかなり出している。
そして、右側にステータス画面があるのは、シリーズ通してのお約束だが、そこに「Time」というのがあるのが特徴。最初にも書いたが、この時間によって冒険が大きく制限される。
具体的には、まず、7時/13時/19時/1時に食事をしないといけない。食事は、食料を持っていれば勝手に消費してくれるので、さほど面倒ではない。ただ、食料を持っていないと、空腹状態となり、放置していると体力が減っていく。
また、夜になると眠くなる。これも放置していると、能力が下がっていく。そもそも夜は敵がかなり強くなっているので、ちゃんと寝て朝にしてしまった方がいい。
寝るのは、外でキャンプをするという方法もあるが、キャンプ道具が使い捨てなので、お金がかかるし、それなりに重いので持ちたくない。なので、ちゃんと街に戻って宿屋に泊まろう。
なお、宿屋にちゃんとした時間に泊まれば、夜1時と朝7時の食事は能動的にとる必要はない(知らなかった…)。なので、13時と19時の分の食料がいつもある状態にしておけばいい。基本は、起きたら、食料を2つ買って出かける形になる。
まずはいきなり森の街に入る。中には人がたくさんいて歩いており、またいくつかお店がある、というのは前作および他ゲームまでとあんまり変わりがない(前作は街が1画面で簡素だったけど…)。
なお、住人の前でボタンを押すと話しかけられるのは従来通りだが、前作やイースなどと同様、話かけるのは結構めんどくさい。正面からじゃなくても話しかけられるようになったのは大きな進歩だが、常に歩き回っているので、結構待ち伏せしたり、側面からタイミングを見計らってボタンを押さないといけない。
こう考えると、ドラクエって偉大だよね。「話しかけづらい」とか思った事ないもん。たいていの住人が、止まっている時間が長く、時々1マス分移動する、みたいなアルゴリズムなので、圧倒的に話しかけやすい。PCゲームの住人は歩き続けすぎなんだよ!
なお、これは今でも語り草になっているが、そのように話しかけるのがめんどうなシステムを持っておきながら、たいていの住人が上記の「なんのこと?」というセリフをしゃべる。つまり、攻略上特に情報のないキャラは、みんなこれをしゃべる事になっている。
まあ、「攻略に関係ない」と言う事を示すためのシンボルとして、同じセリフをしゃべると言うのは分かりやすいのかも知れないが、だったら住人の数普通に減らせばいいんじゃない? 一つの画面に6~7人歩いてて、うち4人が「なんのこと?」とか言う仕組みにするくらいなら、一つの画面で歩いてる人数を3人にしてもいいじゃない。
新しい街に行っても、なんでもかんでもみんな「なんのこと?」だから、だんだん腹が立ってくる。
街の北部には、このように封印された洞窟のようなものがある。
奥から恐ろしい声が響くらしいが、ここが関係してくるのはずっと後の事である。
で、まずは街の東にある、なんでも屋「ぼんぼん」で食料を買い、南にある武器商店「ばくれつ屋」でナイフを買う。
そしてこの画面が、ハイドライド3の大きな特徴の一つ。最初にも書いたが、重量制限の話だ。
このゲームでは、アイテム1個1個に重量が設定してあり、自分が持てる総重量が、上の画面の「持てる重量」になっている。この状態だと、1680グラムだ。あれ、1.6kg…? お前さ、ちょっと物持てなさすぎじゃね…? 戦士だろ…? 3才児かよ…。この、持てる重量をオーバーすると、その場から動けなくなる。何かを捨てる羽目になる。
もう一つ、使いこなす重量と言う概念もある。これは、何グラムまでの武器を使いこなせるか、という指標である。これを超える武器を持てないわけではないが、マイナス補正を受けてしまう。この時点で手に入るような武器だと、ナイフは500gだからセーフだが、短剣は2000gとなっており、装備してもフルのパワーは出せない(そもそもこの時点だと、持てる重量制限にもひっかかるが)。
この、持てる重量および使いこなす重量は、主人公の腕力から算出されており、レベルアップして腕力が上がるたびに大きく増える。
さて、外に出て戦ってみよう。
ちょっと画面からは分かりづらいが、今これは、攻撃ボタンを押して武器でダメージを与えているところ。
私が過去ハイドライド3をプレイした時、「大きく変わったな」と思ったのはここだった。初代、2では、主人公の攻撃は「体当たり」だった。古いPCゲームの文法と言う奴だ。
が、今回はゼルダの伝説のように、攻撃ボタン(PC-88ならスペースキー)を押すと、ビシュッと武器を前に出す。武器にはそれぞれリーチがあり、ナイフとかは短いが、長剣は長い、みたいになっていて、ビジュアル的に分かりやすい。中には飛び道具もあり、これも見た目で分かりやすく弾が飛んでいく。
さて、最初はフィールドをうろついている、スライムのような「ジェリー」と言う敵をひたすら狩り続けて、レベルを上げるのが目標となる。とにかくレベルを上げないと、物が持てないので、冒険が進まない。
更に言うと、ここまで述べたように、このゲームでは1日数回の食事と、夜には寝る事が必須となる。当然、どちらもお金がかかる。なので、1日の稼ぎが足りないと、泊まる事もできなくなる。
とは言え、宿泊に必要なのはこの時点では$1000、食事は1回$500で、計$2000あればいいので、ちょっと育てば苦も無く稼げる金額だ(今気づいたけど、このゲームの貨幣単位ってドルなのな)。逆に言うと、一番ここが問題になるのはLv1の今である。普通にやればどうって事ないが、ダメージを多く受けて回復剤が必要になった、とかいう状況だとお金が足りなくなるかも知れない。
ま、それはともかく、稼ぎを行いながらも、必須アイテムを取りに行く必要があるので、街から北に向かう。
途中、この塔がある。なんと地上200階建ての塔で、やがて攻略しなければならない。が、今はまだ早い。
で、北の川沿いに、宝箱がある。これがその必須アイテムだ。
取ると、「両替機」が中に入ってる。
重量500gとやや重いが、攻略上必須なので、取らない手はない。
で、これが何かと言うと、後世まで語り草になっているが、自分が持っている金貨をまとめて高額金貨に両替する事で、全体の重量を抑える事ができる、ハイパーアイテムだ。
このゲームでは、あらゆるアイテムに重量が設定されているというのはすでに書いたが、実は金貨にもその重量がある。で、例えば敵から$120得るとすると、$100金貨が1枚と、$10金貨が2枚手に入る。で、これを繰り返すと、$10金貨とかがジャラジャラとたまり、持ち物が重くなる。
そんな時に両替機を1回使うと、最小枚数になるように自動的に両替してくれる。このゲームでは$1000金貨まであるので、$100金貨が10枚あったら$1000金貨1枚に、$10金貨10枚で$100金貨1枚に、という具合に構成が変わる。従って軽くなる。
いったいどんなテクノロジーでそれが可能になっているのか見当もつかないが、まあ不思議が当然フェアリーランドだから気にしちゃいけないのだろう。
さて、フィールドでしつこくジェリーを倒していると、経験値がたまる。
このゲームでは、経験値がたまっても自動的にレベルアップはしない。街にある寺院に行って、上げてもらう。
レベルアップすると、パラメータが上がる。
で、このパラメータの上がり方が、かなり乱数性がある。と言う事は、毎回低めの上がり方で済ませた場合と、高めの上がり方にした場合とでは、終盤での強さが異なってくる。なので、直前でセーブして、いい値を引かなかったらリセットする、くらいの気持ちで行った方がいい。
なお、いくつかのパラメータの上がり幅には、「幸運」というパラメータの初期値が関係している。高いほど、上がり幅も良くなる。関係するのは初期値なので、最初のキャラメイク時にどれだけ高くできるかが重要だ。キャラを作る時、とにかく幸運だけは妥協しない方がいい。
…と自分で書いてて、今回の攻略で、最初に幸運をそこまで重視したかが気になってきたわ…。考えてなかった気がする。
そうこうしているうちに、夕方になった。背景の色も変わる。なかなか凝っている。
ちなみに街の中や建物の中でも、時間による色の変化があったりする。
更に時間が過ぎ、夜になると、このように青っぽい画面になる。
また、この状態だと、街の人もいなくなる。
更にレベルが上がり、持てる重量も増えてきたので、武器を短剣に、更に防具として革の服も身に着けた。
逆に言うと、レベルが上がって制限重量が増えるまでは、防具すら身に着けられない。
なお、装備を変えると、キャラのグラフィックも変わる。右下のウィンドウを見てもらうと分かるように、赤っぽい服になる。いやほんと、細かいところだけど、グラフィックについては異様にこだわっているゲームだわ。
防具をつけるようになると、ジェリー以外の敵とも戦えるようになる。
と言っても、メインフィールドには、敵は3種類しかいない。ジェリー、樹木の精、食人樹だ。
そして、このうち「樹木の精」は、属性が善のモンスターだ。ほら、なんか嫌な予感するでしょ。実は、これも前作と同じく、敵に善悪の属性があり、善のモンスターを倒してしまうと、あるパラメータが下がってしまう(今回は精神力、という名前になっている)。つまり前作のForthと同じ仕組みだ。
ほんと勘弁してくれ、って感じ。
で、その樹木の精と、食人樹は、見た目が全く一緒である。が、樹木の精は歩き回っているのに対し、食人樹は動かない。そのかわり、主人公が一定距離に近づくと、飛び道具で攻撃してくる。
そういうわけで、最初はこの食人樹は、できるだけ近づかないようにするのが正解だが、防具が良くなってきたら普通に近づいて倒す事ができる。ジェリーよりやや経験値が多いので、倒せるようになると稼ぎ効率も上がるだろう。
で、今作も、1・2と同じで、メインフィールドはあまり広くない。そもそも敵が3種類しかいないのもあって、なんかどこ歩いても変わり映えがしない感がある。
ただ、これまでのシリーズや、あるいは夢幻の心臓などと同じく、上下左右に無限ループする形のメインマップが、そのループのところで1画面ずれて接続するタイプになっている。だから例えば真上に歩き続けても、同じ場所に着かない。この手の仕組み、苦手なんだよね。全然覚えられない。
そのマップを、経験値稼ぎついでに、ぐるっとあちこち回ってみた。
まず、森の街から南西方向にある、謎の地割れ。これは昔からあったわけでなく、最近できたものらしい。
ちなみに落ちると普通に死ぬ。一回死んで、相当前からやり直しになった…。
それから、森の街の東北にある、通称水の城。
水に囲まれており、この段階では入る事ができない。
地割れの北にある、謎の湖。
四角い柱が何本からあり、怪しい。
塔の更に北にある、墓場。
これも怪しい。
でもって、謎の扉。これに入ると、すぐ右の小島にワープする。そこには更に目に見えないワープゾーンがあり、そこに入ると、またその先にワープゾーンがあり…と言うように、いくつかのワープゾーンが繋がっている。が、別にそこまで広いマップでもないので、ここをムーンゲートのように移動に使う人はほぼいないだろう。
ちなみに、この扉も、最近唐突に現れた、という設定になっている。つまり何かこのフェアリーランドで起きている異変と関係している。
さて、そうこうしているうちに、Lv4まで上がった。
もういい加減、ジェリーと食人樹だけと戦うのも飽きたので、そろそろ次の舞台、塔に挑む。
(続く)
- 2019/02/17(日) 23:00:00|
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